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マーケティング論(8)

カスタマージャーニーとファネル・マーケティングの考え方

· マーケティング

カスタマージャーニー(顧客の消費への旅)

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 カスタマージャーニーとは、顧客の購買行動を「旅」と見立て、購買前から購買体験に誘導し、その後購買後の体験で顧客の満足度を満たす施策展開までをデザインしていく手法です。一連の旅の導線の中で、顧客にどうブランド価値に触れさせ、満足度を満たすのかがデザインされていることが理想です。したがって、カスタマージャーニーはブランドビジョンの実現だ、と言えるかもしれません。

 このカスタマージャーニーを分析し、具体的な打ち手を考えるソリューションツールを、カスタマージャーニーマップと呼びます。上の図はマップのフォーマットで、顧客の購買行動やコンタクトポイント、ペルソナ分析のすべてを統合し、そこから導かれるインサイト(肝となる心理)から課題を導き出した上で、ブランドステートメントでまとめた価値が体験として刷り込まれるような具体的な打ち手を導き出すように構成されています。このマップに基づいて顧客のブランド体験をデザインし、提供する戦略的手法は、エクスペリエンス・ドリブン・マーケティングと呼ばれています。

デジタルマーケティングはファネルデザイン

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 カスタマージャーニーをシンプルに表すと「新規顧客獲得(つまり、新しいお客様を購入まで導く物語)」と「顧客ロイヤル化(購入した後、顧客のロイヤルティを高めていく物語)」の2つの物語のデザインだと言えます。上記で示している図はデジタルマーケティングを行う上で、カスタマージャーニーを「ファネル(はじめは間口がひろく、だんだん狭くなっていく図から「漏斗」を形に似ているので、ファネルという言い方をします)」として、シンプルにデザインしていくフレームワークです。

 黄色で示した「新規顧客獲得のファネル」から見ていきましょう。商品やサービスの存在をまず「認知拡大」し、一歩踏み込んで「内容理解」してもらい、買いたいと思わせる「意向形成」する3ステップで構成しています。一方、緑色で示した「顧客ロイヤル化のファネル」は購入した後、顧客が再度購入(リピート)し、さらにその商品に惚れ込んで上顧客(=ファン)になってもらう物語です。さて、消費行動がより深くなっていくにつれて、段階ごとに壁があり、その壁を乗り越えた比率をコンバージョン率=変換率として計測します。このコンバージョンを高めて、より購入に近づける努力がマーケティングと言えるかもしれません。

課題:2つのファネルを描こう

manabaのレポートに上記のファネルのフォーマットをアップしますので、それをダウンロードし、自分が探究している商品・サービスのファネルを描き、そこから現状のマーケティングに不足している課題を導きなさい。

締め切り:2020年 6月28日(日)pm10:00